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村田製作所 muRata INNOVATOR IN ELECTRONICSハッケン!デンシランド

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EPISODE 01

石ころが手を引っぱる!?
3Dハプティクスの未来

ここは、デンシランドの天才科学者(?)ことハカセの研究室。

そのとなりにあるハカセの部屋に、デンシの精霊であるコンデンサとインダクタが遊びにきたようです。

コンデンサ

こんにちはー。

インダクタ

ハカセ、いるー?

ハカセ

グッ…!グワアーッ!

インダクタ

うわっ!なんだいきなり!

ハカセ

く、苦しい…!

コンデンサ

ハカセ、だいじょうぶ!?

ハカセ

薬を…取ってくれえ…!

コンデンサ

薬って言われても…

インダクタ

こんなきたない部屋じゃ、どこにあるかわからないよ!

ハカセ

これを、使うんじゃ… ガクッ

コンデンサ

ハカセーーっ!

インダクタ

なにをわたされたの?

コンデンサ

石ころ…?なんか、ちょっとえてるみたい。

インダクタ

石ころをどう使えってのよ…とにかく早くさがさないと!

コンデンサ

そうだった!

うーん、こっちかなあ?

石ころ

(ブルブルブルブル)

コンデンサ

うわわわ!石ころが右のほうに引っぱってるよ!

インダクタ

石ころが!?

コンデンサ

なにかを伝えようとしてるみたい。

もしかして、こっちの冷蔵庫にあるのかな?

石ころ

(ブルブルブルブル!)

コンデンサ

こんどは左に引っぱってる!

じゃあ、こっちの

石ころ

(ブル…ブル…)

コンデンサ

震えがおさまってきたよ。

インダクタ

この机に薬があるってこと?

石ころがそんなことを教えてくれるなんて…

コンデンサ

(ゴソゴソ…)

あったー!これかな?

見つけた薬をハカセに飲ませた。

…………。

しばらくすると、ハカセが元気を取りもどした!

ハカセ

いやー、あぶないところじゃった。

二度と発明できない体になるところじゃったわい。

コンデンサ、インダクタ、礼をいうぞ!

コンデンサ

いったい、なにがあったの?

ハカセ

うむ。

冷蔵庫のにしまっていたケーキを食べたら、賞味期限が1年以上前だったんじゃ。

インダクタ

……。

よけいな発明する前に、賞味期限センサーでもつくったら?

コンデンサ

それより、ハカセの石ころ、すごいよ!

ぼくの手を引っぱって、薬の場所を教えてくれたんだ。

ハカセ

ほほほ!すごいじゃろう。これこそが未来の社会を良くする発明…

ふしぎな石ころじゃ!

インダクタ

未来の社会を…って、そんなにすごい発明なの?

ハカセ

うむ。

この前、異世界にいる研究仲間に、ちょっと貸してくれと言われてな。

EXPO 2025というイベントで使われるらしいんじゃ。

またの名を、大阪・関西万博。

世界中からたくさんの技術やアイデアが集まるイベントじゃ!

ハカセ

そこにも、石ころが道案内してくれるエリアがあるらしいぞ。

コンデンサ

石ころが道を教えてくれるなんて…

どういう仕組みになってるの?

ハカセ

よろしい。ではワシの研究室で説明してやろう!

ハカセたちは部屋を出て、研究室へ移動した……。

手を引っぱるヒミツは、にあり!

ハカセ

ごほん。では、石ころが手を引っぱるヒミツを解説するぞい。

とはいっても、本当に手を引っぱってるわけではない。石ころは震えているだけなんじゃ。

コンデンサ

えー、でも、右とか左に引っぱられたと思うけどなあ。

ハカセ

そこがポイントじゃな。

この石ころは、脳が「引っぱられた」と勘違いするような刺激を、手にえているんじゃ。

インダクタ

そんなことができるの!?

ハカセ

うむ。実は、脳はけっこう勘違いしやすいんじゃ。

コンデンサ

震えてるだけなのに引っぱられてるように感じるなんて…。

ハカセ

「震わせ方」にコツがある、というわけじゃな。これが脳科学のチカラでリアルな感触再現する技術3Dハプティクス」じゃ!

研究が進めば、引っぱる以外の色々な感触も再現できるかもしれんぞ。

レンガのように、ざらざらしたものをる感じ。砂浜のように、やわらかいところを歩く感じ。

刺激の与え方を変えることで、いつかそんな感触も再現できるはずじゃ。

コンデンサ

すごい…!

インダクタ

あれ?ちょっと待って。手に刺激を与えて、「引っぱられてる」ように脳をダマしてた、ってことはわかったけど。

石ころは、右にも左にも引っぱって、薬の場所まで案内してくれたんだよね。それはどうやったの?

ハカセ

いい質問じゃの。

たしかに、ただ震えるだけでは道案内はできない。そのためには別の技術を組み合わせている。

それがLFアンテナじゃ。

コンデンサ

LFアンテナ!?

LFアンテナの磁場反応して、正しい道を教えてくれる!

ハカセ

ワシの部屋には、いくつもLFアンテナを設置しておる。LFアンテナを置いて、正しい道をつくっているようなイメージじゃな。

LFアンテナは「磁場」を生み出す力があるんじゃ。

インダクタ

あ!磁場は聞いたことあるよ。磁力が発生する場所のことだよね。

ハカセ

そうじゃな、磁力はインダクタの得意分野じゃったな。

ハカセ

この石ころは、磁場を検知することで自分の居場所がわかるようになっている。

だから正しい道から外れたときにすぐ反応して、正しい方向をすように震えることができるんじゃ。

インダクタ

右のほうにはみ出たときは「もっと左!」って振動で教えてくれるわけね。

ハカセ

こうした発明と技術の実践そして応用が明るい未来社会をつくるんじゃ!

インダクタ

いろんな使い方が考えられるってこと?

ハカセ

もちろんじゃ!たとえば、駅とか役所とかの施設に使うのはどうじゃ?

目が不自由な人でも、目的地が振動でわかれば、安心してひとりで移動することができるじゃろう。その場合は石じゃなくてにするとか、使い方は色々あるじゃろうけどな。

インダクタ

たしかに。それはすごくいいアイデアだね!

ハカセ

あとは、ゲームにも使えるかもしれん!いまでもブルブル震えるコントローラーはあるが、未来はもっともっとリアルな感触になるかもしれん。

実際にアイテムを触ったり、世界を歩いたりしている気持ちになれるかもしれないのう。

コンデンサ

ハカセは本当にゲームが好きだね…。

ハカセ

ごほん。

まだまだ、3Dハプティクスの使い方は無限大じゃ。ぜひみんなも一緒に考えてくれい!

EXPO 2025で体験できちゃう?

インダクタ

EXPO 2025に行けば、実際にこの石ころを触れるのね?

ハカセ

そうじゃ!EXPO 2025はユメシマというところで開催するらしいぞ。

ハカセ

ふしぎな石ころが使われるのは、シグネチャーパビリオン「Better Co-Being」という場所じゃ。

色々な人や自然との共鳴を感じられる空間らしい。

コンデンサ

すごく面白そう!

ねえ、他にもEXPO 2025で使われてる発明ってあるの?

ハカセ

おお、いくつかあるぞ。

インダクタ

気になる!教えてよ。

ハカセ

う、うむ。もちろんいいぞ。

……ただ、このVRゲームがクリアまでもうちょっとなんじゃ。これが終わったら教えてやる(スチャ)。

コンデンサ

あーあー、ゴーグルつけてゲーム始めちゃったよ。つまんないの。

インダクタ

ちょっとハカセ!ゲームは話が終わってからにしなさい!(バシバシ)

コンデンサ

ねー、続き教えてよ!(ユサユサ)

ハカセ

うおおおお!?
背中にものすごい衝撃が!?

体がゆれる!?

とんでもなくリアルな体験じゃ!このゲームも3Dハプティクスを使っておるのか!?

つづく

まとめ

3Dハプティクスは、皮膚に刺激を与えて脳を勘違いさせ、色々な感触を再現できる技術じゃ。
石ころが3Dハプティクスで正しい道に案内できるのは、LFアンテナが発している磁場を検知して、道を外れたことに気づけるからなんじゃ。